
2026年6月、1年に1度の産地訪問を行いました。
日本列島最南端、鹿児島県です。
写真は枕崎駅。当日はあいにくの天気でした。

枕崎にある鰹節製造産地を見学。
写真は血合取り専用に設計された機械。
回転する研磨砥石の帯に節を押し当て、硬くなった血合の層をピンポイントで豪快かつ精密に削り落とします。全て手作業で行います。
鰹節の血合取りに使用している機械、通称「グラインダー(帯)」は製造するメーカーが年々減少しており、現在ではごくわずかしか残っていない状況です。
この機械がなければ血合取りの工程自体が成り立たず、私たちが大切にしてきた鰹節づくりの技術も継続が難しくなります。
今後メーカーがすべて廃業してしまえば、修理や新規調達もできなくなる可能性があります。

熱を加えることで鰹の筋肉タンパク質をしっかり凝固させ、身を硬く引き締める「煮熟」と呼ばれる工程。
鰹の大きさや脂肪のノリ具合、季節の気温に合わせて、火加減を絶妙にコントロールし1時間から2時間ほど茹で上げます。

煮熟が終わった鰹の身を、燻製(くんせい)にして水分を抜き、香りを定着させる燻しの工程「焙乾」です。
数週間から、長いときには1ヶ月以上の時間が掛かります。
写真は「急造庫」と呼ばれる方式で、2階建て〜4階建ての「建物そのもの」が燻製室になっています。1階の床(地下)で薪を燃やし、格子状になった2階以上の床から煙と熱を上へと立ち昇らせます。
昔ながらの伝統的な手法です。

比較的小さな鰹を、三枚におろしてそのまま片身丸ごと使って作った鰹節が「亀節」です。
ふっくらとした形が亀の甲羅に似ていることから、この名がつきました。1匹の鰹から計2本しか作れません。

山川港を見学。
山川港は遠洋航海から戻ってきた鰹漁船が大量の鰹を陸揚げする拠点です。

カツオの漁船は非常に大型です。
今回、見学できた船は700トンを積めます。

釣り上げられた鰹は、船内のマイナス15℃〜マイナス35℃以下の高濃度塩水(ブライン液)に生きたまま投入され、瞬時に中心まで凍結されます。これにより、細胞が壊れず、生の鰹に匹敵する鮮度が維持されます。

最後に、巨大な冷凍倉庫を見学
冷蔵庫はマイナス30度(節原料)、マイナス50度(生食用原料)に分かれていました。マイナス30度でも1年ほど持つが、冷凍焼けしてしまうため3~4か月ほどで使用しているそうです。
今回も鹿児島県の産地訪問を特集しました。
日本の鰹節生産業は技術の損失、人口減少と共に確実に衰退しています。
弊社では品質の確認や現状の把握を通して産地職人との協働ものづくりに励んでいます。
産地の皆さま、ありがとうございました。

